第57回 日本腎臓学会総会 会長賞受賞 - 座間味 亮
- 2014.07.04 -
この度、第57回日本腎臓学会総会におきまして、会長賞を頂きました。
演題名は『非ネフローゼ性慢性腎臓病における細動脈硝子化病変の血圧と蛋白尿の関連に及ぼす影響』で臨床研究では唯一の受賞でした。
高血圧による糸球体傷害の起きやすさ(susceptibility)に輸入細動脈の自己調節異常の関与が示唆されています。
今回、我々は、腎生検で細動脈硝子化病変(自己調節異常があると考えられる)を有するグループでのみ血圧が高い例ほど尿蛋白が多いことを見出しました。
このような症例では尿蛋白減少のために、より厳格な降圧が求められると考えられ、CKD合併高血圧の治療を考える上で重要な知見だと考えています。
当科では、病理所見から組織診断のみならず治療を念頭においた病態診断を行うことを心がけています。
特に患者毎に腎微小循環の特性を推定し、その特性に応じた降圧療法を行うことで腎保護のための個別化治療を実践しています。
このような賞を受賞できたのも、常に病理と日常診療を常にリンクさせ考えるようにご指導いただき、今回の発表につないで頂いた古波蔵健太郎先生の功績が大きいと思います。
本当にありがとうございました。
この受賞に恥じぬよう、今後とも臨床、研究共に精進して参りたいと思います。
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