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臨床の基本である問診や神経学的診察を重視するよう心がけています。
琉球大学病院 第三内科 神経グループ 講師
崎間 洋邦 HIROKUNI SAKIMA
#01神経部門
日常的に神経内科が扱う、幅広い疾患と検査手技を学ぶことができます。
毎日、日本神経学会認定神経内科専門医と回診を行い、その日の診療方針や、学習目標を点検します。診療における疑問点や不安を最小限にするよう配慮しながら、脳卒中診療に必要な知識を無理なく獲得します。担当症例総括の作成をバックアップして、神経学会や脳卒中学会の認定する専門医試験に備えます。生活環境の変化にも柔軟に対応し、継続的な学習を支援します。
学内においては神経内科領域のみならず、脳神経外科、リハビリテーション科、循環器科・腎臓高血圧内科医、さらに血液凝固学の見識を身に着けるよう、研鑽を積んでいけます。脳神経外科・神経内科・精神科合同カンファレンスも活発に行っています。Facultyとしてのコミュニケーション能力についても修練します。
一定の研修が終了した時点で、国内の脳卒中診療や研究に力を入れている医療機関へ、レジデントまたは研修生として派遣することも可能です。さらに実績により、海外留学の道も拓かれます。
#02神経グループで日常的に扱う疾患と検査
神経グループは脳卒中及び神経変性疾患など幅広く神経疾患を診療できる体制を維持しています。
外来や入院患者数においても脳卒中や変性疾患をはじめとした神経疾患に偏りはあまりなく、幅広く神経内科診療を出来る体制を取っています。
全国的にもそのような大学施設は数が少なく当科の特徴ともいえます。
#03神経・筋疾患
- 変性疾患: パーキンソン病および関連疾患(レビー小体型認知症、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症、多系統萎縮症)、アルツハイマー病、脊髄小脳変性症、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症 など
- 神経免疫疾患:多発性硬化症/視神経脊髄炎スペクトラム障害、多発性筋炎/皮膚筋炎、自己免疫性脳炎/脳症、重症筋無力症、ギラン・バレー症候群、慢性炎症性脱髄性多発根神経炎、肥厚性硬膜炎、神経サルコイドーシス、神経ベーチェット病、神経シェーグレン症候群、中枢神経(CNS)ループス、ANCA関連血管炎症候群、リウマチ性多発筋痛症、IgG4関連疾患による神経障害 など
- 感染性疾患:細菌性髄膜炎、ウイルス性脳炎・髄膜炎、寄生虫関連神経障害、クロイツフェルト・ヤコブ病 など
- 遺伝性疾患:筋ジストロフィー、脊髄性筋萎縮症、球脊髄性筋萎縮症、シャルコー・マリー・トゥース病、神経原性筋萎縮症、ミトコンドリア脳筋症、皮質下梗塞と白質脳症を伴う常染色体優性脳動脈症(CADASIL)、脳腱黄色腫症 など
- 代謝性疾患:糖尿病関連神経障害、ウェルニッケ脳症、亜急性連合性脊髄変性症、尿毒症関連神経障害、薬剤性脳症 など
- その他:頭痛(片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛など)、てんかん、ジストニア(眼瞼攣縮、顔面痙攣、痙性斜頸)、脳脊髄液漏出症、Stiff-person症候群、傍腫瘍性症候群、肢端紅痛症、免疫チェックポイント阻害薬による神経・筋障害(irAE) など
#04脳卒中 Time is Brain
脳卒中は本邦の要介護の原因の第1位、死亡原因の第4位であり、発症すると患者本人のみならず、ご家族、そして社会に大きな影響を与えます。沖縄県でも年間約3,000人の脳卒中新規発症があると考えられています。超高齢化社会が到来し、脳卒中の発症数は脳梗塞を中心に増加しており、その制圧は大きな課題です。そのためには脳卒中を全身の血管疾患として捉え、関連する幅広い分野を包括的に診療できる能力を持った医師の養成が必要不可欠です。私たちは脳卒中の診療と研究に従事できるエキスパート養成を目指します。
[脳卒中エキスパートへの道]
- 日本神経学会認定神経内科専門医と日本脳卒中学会認定脳卒中専門医を取得する。
- 脳神経超音波学、神経放射線学に精通する。
- rt-PAによる脳梗塞超急性期静脈的血栓溶解療法の即応能力を獲得する。
- 脳神経外科、リハビリテーション科、循環器科、腎臓高血圧内科、内分泌代謝内科等と連携する診療技能を獲得する。
- チーム医療を遂行できるコミュニケーション能力を獲得する。
- 研究者としての能力を獲得する。
神経超音波診断(頸動脈超音波、経頭蓋超音波、経食道超音波検査、経口腔頸部超音波検査、下肢静脈超音波)は非侵襲的な検査で、脳卒中の病態診断に大きな力を発揮します。私たちが特に力を入れている分野です。手技の獲得だけでなく、最新鋭のMRI、CT、SPECTおよび脳血管造影検査と組み合わせて、詳細な病態診断を習得します。
発症4.5時間以内の超急性期脳梗塞に対する、rt-PAによる静脈的血栓溶解療法を遂行する能力を習得します。患者背景、NIH stroke scale、そして画像所見(ASPECT、early CT sign、動脈解離病変の鑑別)を的確に収集分析します。近年、進歩が目覚ましい脳血管内治療についてもスペシャリスト育成に力を注いでいます。
脳卒中の治療にはチーム医療が不可欠です。コメディカルスタッフ、地域かかりつけ医、慢性期病院との風通しの良い協力体制を維持するための大切なコミュニケーション能力を獲得します。
脳卒中医療に完成はありません。疑問や課題に向き合うためには、研究者として課題に取り組む姿勢が必要です。積極的に症例報告を行い、臨床研究の課題にも取り組んで、学会発表を行っています。その研究結果を診療に役立てていくことも目標としています。
#05神経領域の特殊検査
- 超音波検査:頸動脈超音波検査、経食道心臓超音波検査、経頭蓋超音波検査
- 電気生理検査:脳波検査、神経伝導検査、針筋電図検査、反復刺激検査、表面筋電図、体性感覚誘発電位検査
- 画像検査:頭部・脊髄MRI、MRA、MRS、脳血管造影検査、脳血流SPECT、MIBG心筋シンチグラフィー、ドパミントランスポーターシンチグラフィー、脳槽シンチグラフィー、CT/MRミエログラフィー など
- 病理検査:筋生検・神経生検
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