TF(経大腿部アプローチ)308件
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新URL → https://naika3.skr.u-ryukyu.ac.jp/tavi/
「TAVI」とはTranscatheter Aortic Valve Implantation の略で「経カテーテル的大動脈弁植え込み術」と訳されます。
胸を開かず、心臓が動いている状態で、カテーテルを使って人工弁を患者様の心臓に装着する治療法です。
この治療は、心臓の弁が上手く機能せず、息切れなどの症状が出る「心臓弁膜症」の患者様で、高齢などの理由で手術をあきらめていた方に対する新しい治療の選択肢となります。
2002年にフランスで初めて治療応用に成功し、世界では欧米を中心に2013年現在9万例近い治療が行われて来ました。
心臓には4つの弁があり、それぞれ僧帽弁(そうぼうべん)、 三尖弁(さんせんべん)、 大動脈弁(だいどうみゃくべん)、 肺動脈弁(はいどうみゃくべん)と呼ばれています。
僧帽弁は左心室と左心房の間、 三尖弁は右心室と右心房の間、 大動脈弁は左心室と大動脈の間、 肺動脈弁は右心室と肺動脈の間にあって、各弁は血液が逆流するのを防ぎ、心臓が血液を押し出すために重要な役割を担っています。
また、心室と心房の間にある僧帽弁と三尖弁を房室弁、心室と動脈との間にある大動脈弁と肺動脈弁を半月弁と呼んでいます。それぞれの弁は2つないし3つの尖(せん)からなっており、僧帽弁のみ2つの尖からなる特徴的な形をしています。
これらの弁が異常をきたしてしまう病気が心臓弁膜症であり、狭窄症と閉鎖不全症との2種類があります。
狭窄症は、弁が癒着してしまうことによってしっかり開かなくなり、心臓が血液を押し出す機能が損なわれます。
閉鎖不全症は、弁の硬化や破損によって弁がしっかりと閉じなくなり、血液の逆流がおこります。また、狭窄症と閉鎖不全症が同時に存在することもあり、これを狭窄症兼閉鎖不全症と呼びます。
心臓の弁は4つありますので、心臓弁膜症には、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症、肺動脈弁狭窄症、肺動脈弁閉鎖不全症、三尖弁狭窄症、三尖弁閉鎖不全症、という8つの病態、またはそれらが複合したものがあります。
心臓弁膜症の原因となるものには、心筋梗塞、リウマチ熱、動脈硬化、先天奇形などがあり、他にも原因が特定できないケースもかなりあります。
過去には子供のころにかかったリウマチ熱の後遺症により大人になってから発症するものが多かったのですが、抗生剤の開発と普及により減少しています。現在では高齢化のため、動脈硬化によっておこる大動脈弁狭窄症や大動脈弁閉鎖不全症が多くなっています。
心臓弁膜症の症状は、どの弁におこるのかによって多少違ってきますが、基本的に心不全の症状があらわれてきます。なかでも高齢者に多い大動脈弁狭窄症と大動脈弁閉鎖不全症の症状をご紹介しましょう。
大動脈弁狭窄症では、全身に血液を送る左心室の出口が狭くなってしまうため、労作時におこる狭心痛、脳への血流減少による失神、心不全による息切れや夜間の呼吸困難など、左心に特徴的な症状があらわれます。
大動脈弁閉鎖不全症では、左心室の出口がきちんと閉じなくなってしまうため、本来は左心房から左心室へと血液が送られるはずの左心室拡張期に大動脈から血液が逆流してしまいます。このため左心室に負荷がかかって次第に拡張し肥大してしまいます。
症状が現れるまでにはかなりの期間がかかりますが、狭窄症と同様に狭心痛と心不全による息切れや呼吸困難があらわれます。
TAVIは低侵襲に加えて、人工心肺を使用しなくて済むことから、患者様の体への負担が少なく入院期間も短いのが特徴ですが、前提として、高齢のために体力が低下している患者様や、他の疾患などのリスクがある患者様など、外科的手術が困難な患者様が対象になります。
例えば、下記に該当する症例の患者様に対して、TAVIが一つの選択肢になります。
TAVIを行うにあたって、循環器内科医、心臓血管外科医、麻酔科医、心エコー医、放射線科医、リハビリ科医、コメディカルが協力して治療にあたる「ハートチーム」が結成されます。
診療科の垣根を超えて、それぞれの専門分野の知識や経験を駆使し、患者様に一番良い治療を選択し、術後管理までその全てのプロセスを「ハートチーム」で行います。
患者様の紹介後、「ハートチーム」が下記のプロセスで詳細な評価を行います。
TAVIの治療には健康保険、高額医療制度が適応されます。費用は年齢や所得によって異なりますが、おおよそ5万~20万円です。
TAVI治療における費用について
[例]TAVI治療入院(約7日~14日)の場合。※下記はあくまで概算で、部屋代・食事代は別途必要です。
健康保険を使用される場合
70歳未満の方 | 約180万円(3割負担) | ||
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70歳以上の方 | 44,400円(所得により異なります) |
高額療養費制度を利用される場合(一般所得の場合)
70歳未満の方 | 約14万円 | ||
---|---|---|---|
70歳以上の方 | 44,400円 |
当院でも2014年5月にTAVIハートチームを立ち上げ、2015年8月に県内で初めてTAVIを施行しました。
2017年3月現在までに、41人の患者さんをTAVIで治療しました。
窓口:第三内科 岩淵 成志 / 第二外科 永野 貴昭
【患者さんが琉大外来受診可能な場合】
診療情報提供書を琉球大学病院 医療福祉支援センター シエントに連絡。
FAX 098-895-1498、TEL 098-895-1371
外来での検査(精密心エコー、胸腹部造影CTなど)を予約し、その日に受診していただく。
【患者さんが琉大外来受診できない場合】
診療情報提供書を琉球大学病院 医療福祉支援センター シエントに連絡。
FAX 098-895-1498、TEL 098-895-1371
入院先の病院のDrと相談の上、出張し、説明・諸検査します。